地域医療を支える地域のための病院

本年4月より石橋敏光前院長から院長職を引き継ぎました。力不足ではありますが、上越地

域に住む皆さん、患者さん、病院職員とその家族、そして自分自身と私の家族のため、務めさせていただきます。上越地域には救命救急センターを備えた新潟県立中央病院をはじめ、上越総合病院、新潟労災病院などの救急医療を担う病院など、多くの医療機関があります。その中で、当院の役割を次のように考えています。


◆病気の早期発見早期診断を目指し、健診機能を備えた病院検診で異常を指摘された方の精密検査を行っています。胃や大腸の内視鏡検査は予約で、CT検査は当日実施可能です。ただし、専門医の読影のため、説明は数日後になります。いずれは人間ドックなども行いたいと考えています。


◆身近なかかりつけ医機能を有する病院糖尿病、高血圧、心不全、肺炎、骨粗鬆症など、ありふれた病気に対し、現代の医学的水準を満たす治療や管理を行っています。どこの科にかかればよいかわからない場合、総合診療科が窓口になります。


◆リハビリテーションに力を入れた病地院域最大級のリハビリテーションセンターを持ち、理学療法士、作業療法士、言語療法士の専門職員が施術しています。急性期の病院から脳卒中や骨折後の患者さんが大勢転院してきます。


◆自宅や施設での療養を応援しバックアップする病院訪問診察、訪問看護、訪問リハビリ、介護保険のケアプラン作成を行っています。今年度からは地域包括支援センターを併設し、さまざまな相談ごとに対応できるようになりました。また、当院かかりつけに関係なく、自宅や施設で体調を壊した患者さんを速やかに受け入れ、入院治療する体制を備えています。


◆終末期医療や緩和ケアなど、人生の着地点をサポートする病院緩和ケアに準ずる病棟を備え、できるだけ苦しくなく、またできるだけ充実した時間を過ごしていただけるよう努力しています。


日常生活や体のことで何か困ったことがあった場合、まずはセンター病院に行けば、とりあえず親身に対応してくれる、そのように評価していただけるような病院を目指します。しかし一方で、病院長としては職員の労働環境にも目を配らねばなり

ません。当直明けの医師は翌日も休めずに通常勤務をしています。また各病棟には2人の看護

師が徹夜で働いていますが、ナースコールの頻度は昼間とあまり変わりません。このような現状は当院に限らず全国日常です。職員が疲れてしまえば医療の安全にかかわりますし、自分に余裕が無ければ人にやさしくなれません。継続した医療を守るため、各医療機関の対策とともに、国民全体の理解と協力が必要だと感じます。上越地域に住む皆さんが安心して暮らせるよう、近隣医療機関と協力しながら努力いたしますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

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