動脈硬化による疾患の予防と診断

動脈硬化は、動脈の内側の壁の中にコレステロールがたまったり、石灰化したりして、血管が老化した状態です。脂質異常症、内臓脂肪型肥満、高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸、喫煙する方などは、動脈硬化が起こりやすくなります。内臓脂肪型肥満に、高血糖・脂質異常

症・高血圧などが重なった状態は、メタボリック症候群と呼ばれ、動脈硬化による疾患の発症率が健康な人に比べて何倍にも増加します。

動脈硬化による病気は脳では脳梗塞、心臓では狭心症や心筋梗塞、腎臓では腎不全、下肢の動脈では慢性動脈閉塞症(下肢の動脈に狭窄や閉塞が起こって下肢の虚血を生じる病気)などを起こします。

当院には脳外科がなく、血管造影の設備がありませんので、脳梗塞や急性心筋梗塞などの急性期に血栓を溶解する治療や、カテーテルを使用して閉塞している血管を再開通させる治療などは施行できません。しかし動脈硬化のスクリーニングとして、当院では以下のような検査を施行しています。

心臓超音波検査、頚動脈超音波検査、下肢血管の超音波検査、24時間心電図、24時間血圧、A B I(足関節/上腕インデックス)、CT、MRIなどです。例えば狭心症が疑われた場合は、胸部レントゲン・心電図・採血などの他に心臓超音波検査で心臓に部分的に動きの悪い場所がないか、24時間心電図で狭心症が疑われる変化がないかなどをチェックします。

精密検査が必要であれば、カテーテル検査などもできる病院に紹介しています。動脈硬化による病気は、起こってしまうと命に関わることのある病気で、予防が大切です。肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙する方などは、生活習慣を改善し、動脈硬化が早期のうちから予防することが大切です。そこで基本となるのは、食事療法、運動療法、禁煙などです。栄養指導を受けていただき、希望される方は禁煙外来を受診していただきます。薬も必要な方は、内服もしていただき、できるかぎり動脈硬化を予防していくように努めています。検診などで肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心電図異常などを指摘された方は、医療機関への受診をお勧めします。

0コメント

  • 1000 / 1000